海外不動産投資でローンを組む方法5選!③国内不動産を担保にする

海外不動産への投資を検討する中で、資金調達の点で以下のような疑問を持つことはないでしょうか?

 

・現金一括でなければ海外不動産は買えないのでは?

・海外不動産投資のローンを組める金融機関はあるの?

・どんな資産を担保にできるの?

 

従来は海外不動産への投資は現金一括でしか行えないと思われがちでしたが、近年では海外不動産への投資に対して融資をする金融機関が増えてきています。

様々な資産を担保にして融資を受けることで、手元の現金を切り崩さずに海外不動産に投資をすることが可能です。

 

本記事は「海外不動産投資でローンを組む方法5選」の記事群の3本目です。全5本の記事をお読みいただくことで、海外不動産に投資する際の資金調達の方法についての網羅的な理解を習得していただくことができるでしょう。

 

現金一括での購入という方法以外にも海外不動産に投資をする方法があるということをご理解いただき、海外不動産への投資に役立てていただければ幸いです。

 

国内不動産を担保にローンを組んで海外不動産に投資する

 

所有する不動産を担保にして組むことができるローンを一般的に「不動産担保ローン」といい、多くの金融機関が商品として提供しています。

 

担保にできる不動産の条件(所在地、構造、築年数等)や借入金の使途制限の有無等は金融機関によって大きく異なりますが、自己または家族名義で所有する居住用不動産(戸建、マンション、アパート)を担保にして融資を受けることができるというスキームの大枠は変わりません。

 

不動産担保ローンの融資上限額は、担保物件の評価額に「掛け目」というディスカウント値を乗じて算出されるのが一般的です。

 

掛け目は不動産に限らず金融資産を担保とする場合に適用され、当該資産の流動性、時価総額、投資対象、格付け等を勘案して決められており、安全資産(現金や先進国の国債等)ほどそのパーセンテージが高くなります。金融資産には価格変動があるため、担保とするにあたっては価格下落を想定し、価値が割り引かれて評価されるためです。

 

不動産の掛け目の値は担保物件の用途によって異なる場合もあります。例えば、自宅は80%、セカンドハウスは75%、 居住用賃貸物件等これら以外の物件は70%というような割合です。同じ1億円の評価額の不動産であっても、自宅の場合は8,000万円の担保として評価されるのに対して、賃貸物件の場合は7,000万円と評価される場合があるということです。

 

保有している国内不動産を担保に金融機関から資金調達ができるため、手元の国内不動産を売却・現金化して外貨を買い、現金一括で購入するという方法をとらずとも海外不動産に投資ができます。

 

長期保有用の国内不動産をまとまった規模で保有しており、それらを売却せずに有効活用したいという方は一度検討してみる価値のある資金調達方法の一つといえるでしょう。

 

メリットと注意点

 

国内不動産を担保にしてローンを組むという方法には、どのようなメリットおよび注意点があるのでしょうか?

それぞれについての重要なポイントを解説します。

 

メリット

 

メリットは以下の3つです。

 

・既存の家賃収入を維持したまま所有不動産を活用できる

・掛け目によるディスカウントが有価証券よりも低い

・担保価値が安定的

 

国内不動産は有価証券(株式や債券)と比べる一般的に安全資産として評価されやすい傾向があるため、担保にして融資を組む際のメリットを享受できる可能性が高いといえます。

 

・既存の家賃収入を維持したまま所有不動産を活用できる

所有する賃貸不動産を担保に入れたとしても、家賃収入は変わらず得続けることができます。

 

売却する予定が当面ない長期保有目的の不動産を担保にするのであれば、それまでと大きな変化がない状態で賃貸経営を続けていくことができるということです。

 

不動産は有価証券のように部分売却(保有している100株のうち10株だけを売却する等)がしにくく、売却時のコスト(仲介手数料、税金、司法書士への報酬等)が高いため、不動産の所有を続けたまま資産規模の拡大ができるという点は大きなメリットといえるでしょう。

 

・掛け目によるディスカウントが有価証券よりも低い

一般的に国内不動産は有価証券よりも値動きが少ない安全資産として位置づけられることが多いため、掛け目によって担保価値がディスカウントされる割合が低い(担保価値としての評価が高い)傾向があります。

 

担保価値が高く評価されるということは融資上限額が高くなるということであるため、より大きな金額の融資を受けて資産規模をより拡大することができるということです。

 

・担保価値が安定的

国内不動産は10年スパンでみても値動きが安定しており、有価証券のように短期間で価格が急騰や急落をすることは想定しにくいでしょう。

 

コロナショックや東京オリンピックの延期といった日本経済への大きな悪影響が懸念されていた中でも、国内不動産は都心部を中心に安定的な価格推移していたということです。

 

価格が安定推移しているということは担保価値が安定的であるということであるため、「追加担保」を求められるリスクを抑えることができます。

 

追加担保とは、ローンを組む際に担保としている資産の価値が下落した場合に担保価値を補う目的で金融機関から追加で求められる担保をいいます。追加担保を求められた場合には、現金、有価証券、不動産等の資産を追加で担保として金融機関に差し出さなければなりません。

 

一般的に不動産は有価証券よりも価格が急激かつ大きく変動するリスクが低いため、追加担保を求められるリスクが顕在化する可能性は不動産の方が低いでしょう。有価証券を担保とした場合の担保割れリスクについては、「海外不動産投資でローンを組む方法5選!②株や債券を担保にする」をご参照ください。

 

不動産投資は年単位の中長期的な資産運用になることが想定されるため、追加担保を求められるリスクを軽減できるという点は大きな安心材料でありメリットでしょう。

 

注意点

 

注意点は以下の4つです。

 

・担保にできる不動産には条件がある

・担保にした不動産が拘束される

・融資を受ける以上、金利がかかる

・為替リスクがある

 

 

・担保にできる不動産には条件がある

金融機関によって異なりますが、担保にできる不動産には所在地、構造、築年数等の条件があるのが一般的です。

 

付加される条件の例としては、以下のようなものが挙げられます。

 

・首都圏、近畿圏、名古屋市、福岡市のいずれかに所在する物件であること

・居住用不動産であること

・1戸あたりの床面積が40平方メートル以上であること など

 

国内不動産であれば全てが担保にできるということではないということを認識しておきましょう。

 

 

・担保にした不動産が拘束される

担保となった不動産は自分の資産であり続けるものの、ローンを完済するまでは売却することができなくなります。物件の買い替えをしたり、現金化したりする際に制約を受ける可能性があるという点は認識しておきましょう。

 

不動産投資は年単位の中長期投資になることが想定されるため、中長期的な資金計画を立てたうえでどの物件であれば担保にすることができるかという点を熟慮する必要があります。

 

 

・融資を受ける以上、金利がかかる

融資を受ける場合、大なり小なり金利の支払いが発生します。

 

投資する不動産の利回りが高くても、金利がかかれば実質的な投資パフォーマンスはその分低下するため注意が必要です。

 

投資する不動産の利回りと支払う金利の利率のバランスを考慮して、その投資における収益性を総合的に判断しましょう。

 

一方、現金一括で購入する場合は金利がかからないため、その分のコストとリスクを抑えることができます。現金一括で購入する方法については、「海外不動産投資でローンを組む方法5選!①現金一括で購入または現金を担保に融資を受ける」をご参照ください。

 

・為替リスクがある

為替リスクとは、為替レートの変動によって外貨の価値が変動するリスクのことです。

 

日本の金融機関からの融資および返済は日本円で行われます。一方で物件購入時の支払いおよび家賃収入の授受は外貨で行われるため、物件購入時および返済時に外貨と日本円を両替しなければいけません。

 

両替の際に円高が進行していると外貨の対円価値が目減りしてしまうため、調達した資金で不動産を購入できなくなったり家賃収入の中から返済ができなくなったりするリスクがあるということです。

 

為替リスクをヘッジするために、海外不動産からの家賃収入以外の資金(日本円で得られる国内不動産からの家賃収入や給与収入等)で返済を行うというのも選択肢の一つです。

 

海外の金融機関から融資を受ける場合は融資も返済も外貨で行うことになるため、為替リスクをヘッジすることができます。海外の金融機関から融資を受ける方法については、「海外不動産投資でローンを組む方法5選!⑤海外不動産を担保にする(海外金融機関編)」をご参照ください。

 

向いている方・向いていない方

 

国内不動産を担保にしてローンを組むという方法に向いている方・向いていない方という点について、投資の目的やスタイルの観点から解説します。

 

■向いている方

■向いていない方

 

 

向いている方

国内不動産を担保にしてローンを組むという方法に向いているのは、都心部の不動産など担保価値の高い国内不動産を長期保有目的で所有している方です。

 

価格変動のある資産を担保にしてローンを組むという観点から、売却をする予定が長期的になく、担保として高く評価してもらえる安全資産を多く保有している方に適した資金調達方法といえるでしょう。

 

 

向いていない方

国内不動産を担保にしてローンを組むという方法に向いていないのは、地方の不動産など担保価値が高くない国内不動産を短期保有目的で所有している方です。

 

担保とした不動産はローン完済まで拘束されるという点、金融機関によっては地方の不動産は担保として受け付けてもらえない可能性があるという点から、上記のような方には適さない資金調達方法といえるでしょう。

 

まとめ

 

海外不動産は現金一括で購入するという方法だけではなく、ローンを活用するという手段をとることもできます。

 

本記事で紹介した国内不動産を担保としてローンを組むという方法は、高い担保価値のある国内不動産を長期保有目的で所有しており、中長期的な資産運用を考えている方に適した資金調達方法です。

 

ご自身の資産状況や投資の目的等を勘案して、どのような方法で資金調達をするが最も合理的かをプロの意見も聞きながら客観的に判断するのが、海外不動産投資を成功に導く近道になるかもしれません。

 

なお、本記事における解説情報はあくまで一般論であり、個別具体的な考え方や手法は投資物件によってケースバイケースです。より詳細な情報やノウハウ等については、お気軽にお問い合わせください。

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